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 森てるおの拡声器 <第61号> 2017年7月発行  (html版)


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6月議会一般質問

行政の嘘は市民への背信行為だ
 ゴミの処理は市町村の中心的な仕事です。法律上もそう定められています。しかし、中間処理施設、一般的にはゴミ焼却場と言われる施設(一部事務組合−柳泉園)を清瀬市、東久留米市と一緒に作ってからは、中心的な仕事は柳泉園が行い、西東京市がお手伝いする関係に変わってしまいました。そこから、水銀流出事故や爆発事故など不都合な事がらが次々と起こってきています。
 西東京市と柳泉園の関係は、西東京市がゴミ処理の方針を決めて、柳泉園がその通りに処理するというものです。ところが柳泉園は西東京市が市民に説明したことと違う処理をしています。今では西東京市は「燃やしていただいている立場」になり下がり文句が言えません。そこで、西東京市は市民に説明した通りの処理が行われていないことを知りながら、柳泉園が行っていることを追認して市民に嘘をついているのです。
 たとえば、市民に「燃やさないで処理するゴミ」として分別して出させているゴミの8割を柳泉園は燃やしています。西東京市は燃やせないゴミが燃やせるゴミに混じっていたら張り紙をして置いて行きます。それがルールです。それなのに柳泉園では燃やしています。西東京市はそれを追認して、不燃物の中にも可燃物があると言い逃れをしています。不燃ゴミの大半はプラスチック製品です。プラスチックの元は石油、燃やせば燃えるのは当たり前です。それを不燃物に分類しているのは、燃やすのが不都合だからです。西東京市は自分たちが決めたルールを破っています。

長期包括委託契約で住民訴訟!
 次に、柳泉園が西東京市から任された仕事を民間企業に丸投げする「長期包括委託契約」の問題です。経費が安くなると柳泉園議会をだまして、15年の長期契約を結びました。柳泉園自体に支払い能力はありません。財源は西東京市など3市の負担金ですが3市の議会では議論さえしていません。それから契約の中にある大規模改修の根拠も不明です。焼却炉は30年くらい運転可能だと言われていますが、柳泉園は運転開始後まだ19年です。また、柳泉園には1日105トンの焼却炉が3炉あり、年間58,000トン余を焼却しています。1炉だと553日かかりますが、もう1炉を半年間動かせば全部燃やせます。今でも3炉は必要ありません。市を挙げて焼却量の削減に取り組んでいるのですから、今後ますます少なくなります。今の炉を限界まで使って、そのあと小さな炉に切り替えたほうが、はるかに経費の削減に繋がって合理的です。3炉を大規模改修するのは全くの税金無駄遣いです。
 長期包括委託契約については法律上も問題があり、現在構成3市の市民が住民訴訟を行っています。私も原告の一人として参加しています。訴訟経費を含めて市民の皆さんのご助力をお願いします。

「三館合築は行なわない・・・」
 6月議会の冒頭、「市民会館の建て替えに合わせた三館合築は行わない」と市長が表明しました。事実上の白紙撤回です。ただし俄かには信じられません。市民から多くの批判が出ても、行政は「声が大きいと多数に見える」と市民の声を軽んじる姿勢を見せ、三館でなく二館だったらと言い出した市長ですから、手放しで喜ぶわけにはいきません。三館ともに耐震補強工事をするのなら、振り出しに戻っただけ。市長にはこの間の迷走の責任を感じてもらわなければいけないし、改めて市民参加が求められます。

グランドデザイン
 50年、100年先を見通していま何をするのかというのがグランドデザインを描くということです。西東京市で言えば、現在の庁舎を50年100年使い続けるのは不可能なので、庁舎の寿命がきたあとにどうするのかを想定しておくことが必要です。
 庁舎は多くの機能を持たせることができます。だから、庁舎の周りにはあまり多くの施設は必要ありません。もし施設を建設したあとに近くに庁舎が建てられた場合、二重投資になってしまいます。庁舎を優先して考えるのはそのためです。
 コストを優先に、現在市が持っている土地に庁舎を作るとした場合には、保谷庁舎敷地が適当だと考えます。保谷庁舎敷地は面積が広く、将来の建て替えが可能です。調布保谷線と保谷新道の交差点にあり、ひばりヶ丘から保谷庁舎至近を通り、保谷と東伏見を結ぶかえで通りに繋がる道路計画が進行中です。また、現状でも、市内5駅から公共交通機関を使ったアクセスが可能です。統合庁舎が出来たらバスの便は大幅に増便されることになります。
 一方、田無庁舎敷地は市外から多数の集客が見込める駅前の一等地にあります。公民館・図書館の存在を考慮すれば、ホールを兼ね備えた文化施設を核とした教育・文化の殿堂とするのが合理的です。市政センターを併設し、南西部地域の行政需要に応える対応をすることは当然です。
 これからは少子高齢化がいっそう進んでいきます。地域分散型の行政に移行する必要があり、ICT、IoTなどの情報通信技術を駆使して地域で問題解決できるようにしなければなりません。公共施設の配置もこんなことを想定して、次々と更新時期を迎える施設の更新需要に対応しなければならないのです。
 庁舎の位置決めの先送りと仮設庁舎の建設はグランドデザインを描く妨げになり、最もやってはいけない事なのです。国が進める地域包括ケアシステムを推進するのなら、またそうでなくても、少子高齢化社会の行政需要を考えれば、地域課題を地域で解決する拠点づくりは急務です。用途変更を含めて、既存施設の有効活用ができるように、庁舎の位置を含めて施設配置を決める必要性が高まっているのです。

新教育長が着任
 新しい教育長が選任されました。前教育長がパワハラ問題の渦中で辞任し、その解明が完了しないまま新しい教育長が就任することについて、市長はどのように考えるのかを尋ねました。市長は、パワハラ問題の解明が終わったとは考えていないと答弁しています。疑惑を解明する中で、より良い教育行政を進めてもらいたいものです。

仮設庁舎建設・保谷庁舎解体
 保谷庁舎解体・泉小学校解体・仮設庁舎建設・・・まだ使えるものを壊す、短期間しか使わないものを作る、全体計画がないまま、つぎはぎでおこなう施設整備は究極の税金無駄遣いだ。
 税法上の考え方で、新しく手に入れた物は毎年価値が減っていき、ある時点で価値が0になる。「減価償却」が完了する。この期間(耐用年数)が過ぎても使用価値は0にならない。耐用年数は目安に過ぎない。耐用年数が来たら解体するという保谷庁舎。泉小学校はまだその耐用年数にも達していないのに早々に解体するという。西東京市はご都合主義だ。
 仮設庁舎は市民の利便性のためというが、対象になる市民は多くない。行政効率の向上のためというけど、結局職員にとって便利ということではないか。そのための費用としてはあまりに大きい。長期にわたって存在し続けるハコモノの建設計画としてはお粗末すぎる。
 庁舎問題を先送りしたら、次々と建て替え時期を迎える施設の再編計画が立てられなくなる。建設時期はともかく、まず庁舎の所在地を定め、周辺の施設配置を定めて、施設の複合的利用を決めるのがいちばん合理的ではないか。経費の削減にも繋がる。

不燃ごみ、ロンダリングか錬金術か?
 柳泉園は、西東京市など3市が集めた不燃ごみを、助燃材として燃やして使うことにした。しかし不燃ごみは不燃ごみ。何とかして燃えるごみに変えなければならない。そこで一計を案じ、粗大ごみ(木製家具など)を砕く破砕機に、不燃ごみを一緒に投入することにした。
 不燃ごみはもともと指定のごみ袋に入る大きさだから、破砕する必要はない。また、粗大ごみは不燃ごみの5%しかない。だから、そもそも不燃ごみを混ぜる必要がない。それでもあえて一緒に破砕機に投入することで、木っ端とプラスチック類をごちゃ混ぜにした。もう別々に処理することは不可能だ。始末に負えなくなったところで、西東京市など3市には「不燃物に混ざり込んだ可燃物を燃やす」と説明した。
 こうして不燃ごみを資源(助燃材)にすり替えてしまうことに成功した。西東京市をだますのは簡単だ。
 一方、西東京市は柳泉園の行為を追認し、柳泉園がやっていることだから、あえて市民に知らせないことにした。ところが東京都のデータから市民にばれてしまった。「不燃物中の可燃物を燃やしている」と柳泉園が言うとおり市民に説明したものの、さすがに8割は多すぎる。おかしいけど、いったん口に出した手前、市民には嘘をつき続けなくてはいけない。そうだ、市民には説明したことにしてしまおう。たしか18年前、焼却場を新しくしたときに説明会を開いている。そこで説明したことにしよう、だれも覚えているもんか!
 この時に、「容器包装リサイクル法で集めるまでは燃やす」と説明していた軟質系プラスチックは、その後、容器包装プラスチックとして別収集されている。今では、申し訳程度に固形燃料にしているもの以外のプラスチックは、「燃やさないで処理をする」という市民への約束と裏腹に、すべて燃やされている。

無所属が一転、都民ファースト「公認」に
 〜一夜で増えた「6議席」〜田村ひろゆき
 今回より記事を書かせていただくことになりました、田村ひろゆきと申します。
 西東京市で生まれ育ってこの7月で39年になりました。初挑戦した2014年の市議選では力及ばず、現在は都内の民間企業に営業職として勤務しています。
 森さんとの関わりは、私が大学生の頃に立ち上げた「議員インターンシップ」を運営する団体で知り合ったのがきっかけ。地元の議員でもあり、その政治姿勢も含めて、多くの共感を持ってみていました。
 さて、先日の都議会議員選挙の結果には私も驚きました。一気に都議会第一党に躍り出たのは「都民ファーストの会」。55議席を獲得したということになっていますが、実は投開票日当日の7月2日夜の段階では、49議席を獲得となっていました。それが一夜明けてみると6議席も増やして55議席に。一体その謎はというと…
 この6議席の正体は、無所属として立候補した候補者のうち、都民ファーストの会が推薦して当選した候補者です。あくまでも「無所属」として選挙を戦っておきながら、当選した瞬間に「公認」に切り替えられ、無所属の6議席が一夜明けると都民ファーストの会の6議席に変わっていたのです。
 そういえば、テレビの開票速報で小池知事がインタビューに答えている最中、「○○さんは公認に切り替えさせていただきます」という趣旨の発言をしていました。果たして当人は当選したら公認になるということは知っていたのでしょうか。少なくとも有権者の立場からすると唐突なものだったと言わざるを得ません。西東京市からは「公認」の桐山候補、「推薦」は受けつつも無所属だった石毛候補が共に当選したのですが、終わってみればどちらも「都民ファースト公認」となりました。
 私は、二元代表制である地方議会においては、行政サイドを市民の厳しい目でチェックできる無所属議員の存在は重要であると思っています。政党に所属することはメリットもあるでしょうが、様々なしがらみから追及がおろそかになる可能性もあります。ましてや知事本人が(代表は降りると言っていましたが)実質的に率いるような政治団体に属しながら、十分なチェック機能が果たせるのかは疑問が残ります。
 新たに生まれた「小池一強体制」。仮に議会のチェック機能が十分に果たされなくなった時、チェックするのは私たち市民自身に他なりません。それができる体制をつくるためにも、新しい都議会には徹底した情報公開を進めることを期待します。

森の談話室にお越しください!

森の談話室は議会開催月の翌々月、第3日曜日午後2時〜4時半、西東京市民会館会議室(予定)での開催とさせていただきます。
今後の予定ですが、本年中は8月20日、11月19日の開催を予定します。

編集後記:
 6月議会では、ごみ問題を集中的に質問しました。市民への嘘があったからです。行政は正しい情報を市民に示して、市民が正しく判断できる状態を作らなければならない、私が言う「情報公開の徹底」とはそのためのものです。嘘で自分たちの行為を正当化してはいけません。
 「知ること」によって、次の行動は知った人の責任になります。どこかの宣伝文句じゃありませんが、「結果にコミットする」のは権利であるとともに義務でもあると考えます。

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