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 森てるおの拡声器 <第23号> 2004年10月発行  (html版)


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鶴ヶ島市立図書館にて<写真>

市長の「権不十年」は口先だけか!
 保谷高範市長はまもなく3期12年の任期を終える。かつて「権不十年」と繰返し言っていたので、多選についての考えを聞いた。「権不十年」とは「権力は10年もするとおのずと腐ってくる」という意味だ。権力に執着しない、潔い気持ちでいるのかと思ったら、答弁に耳を疑ってしまった。「保谷市で1期目の選挙のときに言った。一般的には多選は4選、5選だが、私は西東京市の1年生市長だ」というのだ。議事録では4年前、最期の保谷市議会で「権不十年の約束を果たさなければならない。私はまだ2期8年だ。」と発言している。12年前の話ではない。前回選挙では対立候補の「西東京の1期目だ」という発言を批判していたではないか。保谷高範氏が自分を一年生市長と呼ぶのは、権力に執着するからだ。自分の言葉に責任を持たない政治家が市民の政治不信を強める。責任は大きい。その都度、屁理屈を見つけては権力に執着する人、「権不十年」という言葉は、そんな人への戒めなのだ。

有能な市長は議会と癒着しない!
 地方政治は今、大きく変わろうとしている。バブル経済の時期に首長と議会与党の癒着や議員の口利きが頂点に達し、多くの財源が浪費されてきた。首長が豊かな財源で議会の多数を懐柔したからだ。議員は支持者の要望を実現する近道だとして与党でいることを選んだ。おねだりの取次ぎを自分の政治力と考えたのだ。圧倒的多数の議員が与党となり、おねだり合戦を繰返し、議会の自殺にも等しい事態が長く続いた。
 転機はバブルの崩壊とともにやってきた。首長には与党にばら撒く財源がなくなってきたのだ。有能な首長は与党との関係を見直し始めた。「ない袖は振れない。白黒は議会の場でつけて欲しい」と与党や議員に対して宣言する首長が出てきたのだ。
 首長は、議会の多数派から選ばれる総理大臣と違い、市民から直接選ばれる。与党を作る必要はない。議会には、市民参画で決めた施策を提案し、是非の判断を委ねればいい。根回しで施策を決める不透明な政治を、首長の側からやめることだ。首長次第で簡単にできる。議員の仕事も、舞台裏でのおねだり談合から、議会で議論することに移る。議論を表舞台に引き出せば、議員の資質があからさまになり、市民の評価が可能になるではないか。議会も活性化する。首長が議会との間に距離をあければ、市民が納得できる政治に一歩も二歩も近づくだろう。
 次期の西東京市長には、是非ともそんな姿勢で臨んでもらいたいものだ。

保谷駅南口再開発、膨らむ市の負担
 昨年暮れ、買い手が現れなかった商業ビルの床を市が買い取り、図書館・公民館を作ることでようやく動き始めた計画でしたが、住宅ビルに出店予定のスーパーマーケットが出店規模を縮小。商業ビルからパチンコ店が移動して空きスペースを埋めることになりました。そのために商業ビルの地階があいてしまいました。買い手は見つかっていません。この部分も市が買い取ることになるおそれが強くなっています。
 1〜3階を西武鉄道、地階と4〜5階を市が持つ共有ビルになり、西武のためにビルを建てるのかという市民の声も聞こえてきます。保留床を市が買うことになってしまうのではないかというのが当初からの懸念でしたが、ごまかしごまかし既成事実を重ねて、ついに、心配していたとおりになりました。市長の判断が誤っていたとしか言いようがありません。

保育園、民間委託でどうなる
 保育園の民間委託が計画されています。市の経費節減になるというのは本当でしょうか。
 保育園の経費の大半は人件費です。業者は人件費を圧縮して利益を生み出します。市の利益はいったいどこから出るのでしょうか。民間は給与が安いといっても、安すぎると職員の定着率が悪くなって経験が蓄積されません。子育て中の方にはお分かりでしょうが、保育には経験が必要でマニュアル化できない部分がたくさんあります。ベテランの人件費は無駄遣いではありません。また、保育園で扱う個人情報の保全は確実にできるのかなど、ほかにも多くの疑問が積み残され説明されていません。
 ほんとうはどうなのでしょうか?

本当に「移転」なの?
 「下保谷図書館と住吉公民館は移転」だと主張する教育委員会は『こどものために下保谷児童館の図書室を拡充する』『住吉福祉会館に公民館利用団体の活動拠点を作る』と説明していました。図書館は土日開館が当たり前なのに、児童館は土日休み。公民館は夜10時まで開館だが福祉会館は午後5時に閉館。受け入れ側になる児童青少年部と保健福祉部に確認したら「教育委員会からお話はいただいていません。」いったいどうなっているのでしょうか。口からでまかせの説明には納得できません。

陳情をなぜ審議しないのか!
 その1:日米地位協定
 米軍普天間基地所属のヘリコプターが沖縄国際大学の構内に墜落しました。米軍は独自に事故処理を行い、沖縄県警は関与することができませんでした。「日米地位協定」があるためです。米軍基地があっても欧米ではありえないことです。
 同じ沖縄での米兵による「少女暴行事件」のときには犯人を逮捕できず、地位協定が大きな問題になり、運用改善という方便で政治決着させてしまいました。
 この「日米地位協定」の改正を国に働きかけるよう求めた陳情が出されたのは6月議会でした。しかし「西東京市に米軍基地はない」という理由で、石毛議長が委員会に回さず握りつぶしてしまいました。もちろん議会の多数派による黙認・擁護があったからできたことです。
 米軍基地がなくても、事故はどこでも起こります。過去には、横浜の住宅に米軍機が墜落して、幼い二人の子供と母親が亡くなった悲惨な事件も起こっています。今回の軍用ヘリ墜落事件では、米軍を保護する日米地位協定が、米軍の規律の乱れを生み出し、結果として、市民の安全を脅かすことが示されたと思います。陳情を委員会に回さずに握りつぶした石毛議長と、それを容認した多数派の判断は間違っていたというしかありません。いま改めてその責任が問われます。

 その2:情報公開条例
 日の出のゴミ埋立地を管理運営している「東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合」という団体があります。この団体は一部事務組合と言って、特別地方公共団体、つまり自治体のひとつです。同様の団体の中には情報公開条例を作るところが増えていますが、この団体は作っていません。三多摩25 市1町で構成され、西東京市もこの団体のメンバーです。
 そこで、市議会として条例制定を求める意見書を出してほしいという陳情が出されました。石毛議長の意向はもちろん握りつぶしです。西東京市のゴミが持ち込まれているのに「西東京市の公益に関係ない」という理由がつけられてきました。さすがにこの理由は通用せず、理由が変更されましたが、それは後からつけた屁理屈にほかなりません。今回は委員会で審議し、同様のケースの扱いについては今後協議することになりました。議長と多数派はどうして審議するのがいやなのでしょうか。ちなみに、多数派には議長会派、民主党が含まれています。
 旧両市議会や石毛議長以前には、陳情は全部委員会に回して審議するのが原則になっていました。どうして今変える必要があるのか、たいへん疑問です。

市民の裁判に参加、協力してください。
 この秋から市民が起こした行政相手の裁判3件が始まります。西東京市を相手とした「(1)住基ネット差し止め訴訟」「(2)住基ネット慰謝料請求訴訟」そして、東京都を相手にした「(3)36m道路工事差止請求訴訟」です。(2)(3)は集団訴訟で、第2次以降の追加訴訟を行なう予定です。(2)は訴訟費用千円、事務費5百円、(3)は訴訟費用1万5千円、事務費1万円です。いずれも、弁護士費用は裁判を応援するサポーターからの協力費でまかない、原告は訴訟費用と事務費以外に負担しないことで進めることになっています。原告になれる方は原告に、なれない方はサポーターに、ぜひなってください。
 人格権や生存権など、譲ることのできない人権が、行政の権力的かつ一方的な行為で侵害されようとしています。裁判ではその点を争います。(連絡は森てるお、または事務局へ)

インターン生体験レポート(2004年8月〜9月)
 森てるおは、学生が議員活動を体験するNPO主催のプログラム「議員活動インターンシップ」に参加しており、今回9人目のインターン生を迎えました。

私がこのインターンシップに参加した理由は、地方議員のもとで働くことで世の中に違いをつくることができる、何か良い変化を生み出せると考えていたからです。はたしてインターン期間を終了した今、社会に変化を生むことができたかどうかはわかりません。しかし森議員の西東京市に対する様々な活動を目にし、民主主義・市政のあり方についてのお話を伺って、いち市民の持つ力の大きさ、政治にかかわることの大切さを改めて認識することができました。
 また、今回のインターン活動で、今まで知らなかったさまざまな問題についてかかわることができました。行政システムのほんの小さな変更でも市民に多大な影響を与えかねないということ、ごみ処理の問題、行政の民営化がもたらす地方での変化、など普段あまり気に留めなかったことが実は他人事ではない、重要な問題なのだと気づかされました。
 私たちが社会という大きな共同体を考えるとき、どうしても個人の無力さを感じ、世界の動きや国政に対して消極的になってしまいがちです。自分が納得できないとしても、意見を述べることなく、疑問に思っても自ら真実の情報を探そうとしない…。そのような個人の「あきらめ」の集合によって今の政治が行われているとしたら、とても悲しいことです。森議員の考えの根本にある「納得できる行政」は、議員ではなく市民一人ひとりが主役になるものだと思います。どんなに大きい行政機構も、民主主義においては個人によって成り立つものです。そして市は中でも一番身近な存在なのです。テレビや新聞で報道されるニュースに失望を感じてしまうことが多いけれど、森議員の活動をじかに目にして、まだ希望を捨ててはならないと強く思えるようになりました。希望を持つことと同時に、たくさんの努力が必要なのだとわかりました。世界がより小さく感じられるようになり、一つの大きな波がそれを飲み込むように感じられる今日、このインターンを通じて本当に大切なことを思い出させてくれた気がします。(上智大学文学部新聞学科田中恵子)



「森てるおと市民の広場」(旧「語る会」)を開催します
 『拡声器』23号、いかがでしたか。「もっと聞きたい」「ひとこと言いたい」なんでも結構です。「森てるおと市民の広場」でお話しください。
 『拡声器』は配布協力者と森てるおがお届けしています。「市民の広場」当日までに届かないこともあります。お話はいつでもお伺いしますので、お気軽にご連絡ください。(平日昼間の開催は、急に議会日程が入ったりしたこともあり取りやめました)
  ◎日 時  11月26日(金曜日) 午後 7時〜 9時
   場 所  西東京市民会館 3階 第4会議室
  ◎日 時  11月27日(土曜日) 午前10時〜12時
   場 所  コール田無 4階 会議室B
  ◎日 時  11月28日(日曜日) 午前10時〜12時
   場 所  保谷こもれびホール 1階 会議室



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